鉄道技術標準化調査検討会 標準化活動表彰

 鉄道技術標準化調査検討会では、鉄道分野における国際標準化及び国内標準化活動に対して顕著な業績を挙げた者を称え、表彰し、以って受賞者の更なる支援と関係者による標準化活動の重要性認識の増進を目的として、平成19年度より「標準化活動表彰」を実施しています。平成23年度からは、顕著な業績を挙げた方に贈られる「標準化活動貢献者表彰」に加えて、新たに、今後の継続的な活躍を期待する方に贈られる「標準化活動奨励者表彰」を設け、表彰制度を充実させています。
 受賞者は以下の通りです。
令和2年度 標準化活動貢献者表彰 受賞者   (50音順)
受賞者 所属 受賞理由
大山 秀明 氏 パナソニック株式会社 長年にわたり、IEC/TC 21/SC 21A(アルカリ蓄電池及び酸を含まない蓄電池)のエキスパートを務め、2017年からは上記SCのWG 1の複数PTのプロジェクトリーダーを務めた。また、2017年からIEC/TC 9の日本提案の補助回路用ニッケル水素蓄電池に関するAHG 16、IEC/TC 9/PT 62973-4等多数のAHG、PTでコンビーナやプロジェクトリーダー、エキスパートを務め、他国との連携および各国意見の調整に尽力し、規格成立に貢献した。
菊地 隆寛 氏 東日本旅客鉄道株式会社 長年にわたり、ISO/TC 269、IEC/TC 9の国内委員会、日本鉄道車輌工業会規格審査会の委員を務め、車両技術の規格審議、制定に貢献した。また、新幹線のバリアフリー対策検討会・ハード対策検討WGの委員として実証実験も含めた議論に参加し、最終的なとりまとめが「移動等円滑化のために必要な旅客施設又は車両等の構造及び設備に関する基準を定める省令」に反映され、バリアフリー法に基づく基準策定に貢献した。
小林 学志 氏 東海旅客鉄道株式会社 長年にわたり、車両用電気品作業部会の主査、車両補助回路用バッテリー作業部会および鉄道ブレーキ関連規格作業部会の委員として、車両関係の規格審議、制定に貢献した。特にIEC 60077のPart 1からPart 5の改訂において、我が国技術が不利にならず容易にJIS化できる内容になるよう国内意見を取りまとめ、日本の意見を多く反映した規格の発行に貢献した。
八木 誠 氏 日本信号株式会社 長年にわたり、IEC/TC 9の国内委員やIEC/TC 9/PT 62912-2のプロジェクトリーダーを務め、信号システムの技術的観点から規格審議、制定に貢献した。特に、日本提案のIEC/TC 9/PT 62912-2(ばね式信号用リレー)では、プロジェクトリーダーとして欧州委員からの意見の調整に尽力し、日本のばね式信号用リレーの構造を反映した国際規格IEC 62912-2の発行に貢献した。
山崎 高日子 氏 三菱電機株式会社 長年にわたり、ITU-R(国際電気通信連合無線通信部門)および総務省における鉄道無線に関係するWGの委員や議長を務め、鉄道無線の規格審議、制定に貢献した。特にITU-RのWRC-19(2019年世界無線通信会議)において日本の技術と相容れない提案成立の阻止に主導的な役割を果たすとともに、関係各国との調整に尽力し、日本の意見を反映した決議を成立させ、日本の技術の国際規格への反映に貢献した。
令和2年度 標準化活動奨励者表彰 受賞者   (50音順)
受賞者 所属 受賞理由
柿崎 庸泰 氏 三菱電機株式会社 延べ7年間にわたり、IEC/TC 9車両用電気品国内作業部会の幹事やISO/TC 43/SC 1の委員として国内審議活動に貢献した。また、IEC/TC 9/MT 60077の国際エキスパートとして、車両用電気品の試験規格改訂審議に参加し、日本の意見を国際規格へ反映するなど、今後とも一層の貢献が期待される。
豊田 毅彦 氏 東芝インフラシステムズ株式会社 延べ5年間にわたり、ISO/TC 269/SC 3国内委員会および鉄道に関連する作業部会、またIEC/TC 9に関わる複数の作業部会に参加して、日本の意見を国際規格に反映すべく国内委員会の活動に取り組んでおり、今後とも一層の貢献が期待される。
中村 一城 氏 公益財団法人
鉄道総合技術研究所
延べ4年間にわたり、ITU-R(国際電気通信連合無線通信部門)および総務省における鉄道無線に関係するWG等の委員として国内審議活動に貢献し、IEC/CISPR(国際無線障害特別委員会)/SC B/WG 2には、10年間にわたり国際エキスパートとして参加し、国際審議活動に貢献した。また、ITU-RのWRC-19(2019年世界無線通信会議)などにおいて日本代表団に加わり、他のメンバーとともに日本の意見を決議へ反映するなど、今後とも一層の貢献が期待される。
西山 裕行 氏 東日本旅客鉄道株式会社 延べ4年余にわたり、IEC/TC 9国内委員会および関連する複数の作業部会の事務局として国内審議活動に貢献した。また、UIC(国際鉄道連合)が策定を進める新たな団体標準IRS(International Railway Solutions)の信号リレーに関わる審議に参加するなど、日本の意見を国際規格等に反映すべく取り組んでおり、今後とも一層の貢献が期待される。
間﨑 光一郎 氏 西日本旅客鉄道株式会社 延べ5年間にわたり、運転シミュレータ作業部会の委員を務め、国内審議活動に貢献した。また、ISO/TC 269/SC 3/WG 2(運転シミュレータ)の国際エキスパートを務め、運転シミュレータの国際標準化の分野を中心に、今後とも一層の貢献が期待される。
ISO: International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略。電気・電子分野以外の国際規格を策定している。
ISO/TC 269: Technical Committee 269の略。ISOの鉄道分野に関する専門委員会。
IEC: International Electrotechnical Commission(国際電気標準会議)の略。電気・電子分野の国際規格を策定している。
IEC/TC 9: Technical Committee 9の略。IECの鉄道用電気設備とシステムに関する専門委員会。
IEC/TC 21: Technical Committee 21の略。IECの蓄電池に関する専門委員会。
ITU-R: International Telecommunication Union Radiocommunication Sector(国際電気通信連合無線通信部門)の略。
IEC/CISPR: Comité international spécial des perturbations radioeléctriques(国際無線障害特別委員会)の略。
国土交通省ホームページの報道・広報  https://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo07_hh_000195.html