表彰制度の紹介

鉄道技術標準化調査検討会 標準化活動表彰

 鉄道技術標準化調査検討会では、鉄道分野における国際標準化及び国内標準化活動に対して顕著な業績を挙げた者を称え、表彰し、以って受賞者の更なる支援と関係者による標準化活動の重要性認識の増進を目的として、平成19年度より「標準化活動表彰」を実施しています。
昨年度からは、顕著な業績を挙げた方に贈られる「標準化活動貢献者表彰」、今後の継続的な活躍を期待する方に贈られる「標準化活動奨励者表彰」に加え、新たに他の模範となる優良な取組みを行ったと認められる組織に贈られる「標準化活動組織表彰」を設け、表彰制度を充実させています。
 受賞者は以下の通りです。
令和6年度 標準化活動貢献者表彰 受賞者   (50音順)
受賞者 所属 受賞理由
阿部 健一 氏 東日本旅客鉄道株式会社
(出向:日本コンサルタンツ株式会社)
日本提案のIEC/TC 9/WG 50(交流電力補償装置)の国内作業部会委員を務め、鉄道事業者の立場から規格開発に関与し、国内外の鉄道プロジェクトにおける日本の国際競争力の向上に貢献した。また、日本提案のISO/TC 269/SC3/WG 1(自然災害時の鉄道オペレーション)の国際エキスパート及び国内作業部会委員を務め、鉄道事業者の立場から新規規格提案及び規格原案を作成し、国際規格化への道筋をつけることに貢献した。
入倉 佳祐 氏 東日本旅客鉄道株式会社 IEC/TC 9/PT 63190(銅及び銅合金ちょう架線)の国際エキスパート及び国内作業部会委員を務め、日本で使用されているき電ちょう架線の記載を主張するなど、日本の技術を国際規格に反映することに貢献した。また、IEC/TC 9/MT 62128(電気的安全性と接地)の国内作業部会委員を務め、作業原案に対するコメントをまとめ、国内の議論の活性化に貢献した。
外狩 麻子 氏 東日本旅客鉄道株式会社 UIC(国際鉄道連合)における標準化プラットフォームにおける議長を務め、UIC の標準化活動の中期戦略である“UIC 標準化戦略2030”の策定を主導した。また、UIC とISO/TC 269 及びIEC/TC9 とのリエゾン・オフィサーを務め、国際規格とUIC 業界標準の重複開発の回避や相互補完の促進に尽力した。
羽手原 優 氏 東日本旅客鉄道株式会社 ISO/TC 269/SC 2/WG 8(インテリア・パッシブ・セーフティ)の国際エキスパート及び国内作業部会委員を務め、国内の車内設備に関する考え方を取りまとめ、これを国際規格に反映させることに貢献した。また、IEC/TC 9/PT 63341-1(燃料電池発電システム)の国際エキスパート及び国内作業部会委員を務め、特に安全性の要求について、RAMS 規格に限らず各国の状況を踏まえた要求事項とすることで、日本の技術が疎外されないよう尽力した。
松山 悦司 氏 三菱電機株式会社 ISO/TC 269/WG 1(鉄道ブレーキ)に関わる国際エキスパート及び国内作業部会委員を務め、長年のブレーキシステム・エンジニアとしての経験に基づき、国際規格への日本の技術の反映に貢献した。特にISO 24221(ブレーキシステム)について、日本の規格の内容も併記することに尽力するなど国内各社のブレーキシステムの海外展開に貢献した。
森山 麗 氏 (元)日本信号株式会社 鉄道品質マネジメントシステム(RQMS)や安全伝送プロトコルなどの作業部会に参加し、資料のとりまとめを行うなど国内審議活動に貢献した。また、IEC/TC 9/MT 62425(信号用安全関連電子システム)、ISO/TC 269/WG5(RQMS)のエキスパートを務め、日本の主張を規格に反映させることに貢献した。
柳川 秀明 氏 鉄道機器株式会社 長年にわたり、JIS E 1123(端部熱処理レール)及びJIS E 1306(鉄道用分岐器類のクロッシング・形状および及び寸法)の原案作成委員会分科会委員長を務め、使用者及び生産者からの意見を集約・調整するなど、規格改訂に貢献した。また、JIS E 1305(鉄道用分岐器のポイント・形状及び寸法)、JIS E 1125(接着絶縁レール)及びJIS E 1126(伸縮継目)の原案作成委員会委員を務め、分岐器の設計、製作及び試験に精通する専門家として、規格改訂に貢献した。
令和6年度 標準化活動奨励者表彰 受賞者   (50音順)
受賞者 所属 受賞理由
伊藤 昇 氏 大同信号株式会社 延べ4年間にわたり、RAMS 、UGTMS、輸送計画、運転シミュレータ、安全関連電子システムなど複数の国内作業部会に参加し、同部会を円滑に運営するなど、国内審議活動に貢献した。特に、UGTMS 国内作業部会において、様々な分野の意見の集約や、国際会議に参加するエキスパートの補佐により、日本の鉄道システムが対応できる規格とすることに貢献するなど、信号技術の国際標準化の分野を中心に今後とも一層の貢献が期待される。
清水 滉平 氏 近畿車輛株式会社 延べ3年間にわたり、車両火災防護に関する国内作業部会委員を務め、また、この規格審議を進めるために設置された検討会において想定避難シナリオの設定、大規模避難実験の実施、実験結果に基づいたシナリオの確立に尽力し、国内審議活動に貢献した。さらに、ISO/TC 269/WG 6(火災防護)のエキスパートを務め、国際会議で日本の主張を規格に反映するなど、車両技術の国際標準化の分野を中心に、今後とも一層の貢献が期待される。
髙石 大輔 氏 東日本旅客鉄道株式会社 延べ3年間にわたり、き電シミュレータや中立セクションシステムに関する国内作業部会委員を務め、国内審議活動に貢献した。また、IEC/TC 9/ PT 63488(中立セクションシステム)のエキスパートを務め、国際会議で日本の主張を規格に反映することに尽力している。さらに、2023 年7月より、中立セクションシステム国内作業部会主査として日本の対応を取りまとめるなど、電力技術の国際標準化の分野を中心に今後とも一層の貢献が期待される。
松岡 縁子 氏 東日本旅客鉄道株式会社 延べ3年間にわたり、安全伝送プロトコル、RAMS、列車在線検知の原則など複数の国内作業部会に参加し、同部会を円滑に運営する等、国内審議活動に貢献した。また、IEC/TC 9/AHG 28(安全伝送プロトコル)、IEC/TC 9/MT 62278(RAMS)など多くの国際エキスパートを務め、特にRAMS 関係では、規格のベースとなるEN 規格の差分を明らかにして、日本の鉄道業界にとって不利とならない内容とすることに貢献するなど、信号技術の国際標準化の分野を中心に今後とも一層の貢献が期待される。
令和6年度 標準化活動組織表彰 受賞組織   (50音順)
受賞組織 受賞理由
ISO/TC 269/SC 3国内委員会
 輸送計画作業部会コアメンバー会議
(輸送計画コアメンバー会議)
鉄道の輸送計画分野に関する国際規格化を推進するため、ISO 24675-2(運転時分計算)の規格開発を日本提案として主導し、DIS(国際規格案)を取りまとめた。この活動により、国内外の鉄道事業において、今後日本の鉄道技術が活用されるための環境整備に貢献した。
高速鉄道IRS-WG対応チーム 国際鉄道連合(UIC)の高速鉄道IRS 規格開発ワーキング・グループに参画し、UIC が発行する業界規格に日本の新幹線の技術仕様を反映した。この活動により、将来の海外鉄道プロジェクトにおいて、日本の鉄道技術が採用される道を切り拓くことに貢献した。
鉄道分野の火災対策における想定避難時間に関する調査検討会 ISO/TC 269/WG 6(車両火災防護)の国際審議に対応するため、アカデミアと連携しながら鉄道車両からの避難パターンを複数設定し、火災時の想定避難時間の技術的根拠を裏付けるため、大規模な避難実験を実施した。この活動により、避難パターン毎の想定避難時間を確立するなど、技術的根拠の取りまとめに貢献した。
ISO: International Organization for Standardization(国際標準化機構)の略。電気・電子分野以外の国際規格を策定している。
ISO/TC 269: Technical Committee 269の略。ISOの鉄道分野に関する専門委員会。
IEC: International Electrotechnical Commission(国際電気標準会議)の略。電気・電子分野の国際規格を策定している。
IEC/TC 9: Technical Committee 9の略。IECの鉄道用電気設備とシステムに関する専門委員会。
WG: ワーキンググループの略。
PT: プロジェクトチームの略。
MT: メンテナンスチームの略。
RAMS: Reliability(信頼性)、Availability(可用性)、Maintenability(保守性)、Safety(安全性)の頭文字を合わせた造語。
RQMS: Railway Quality Management Systemの略。
国土交通省ホームページの報道・広報  https://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo07_hh_000300.html
過去の受賞者
令和5年度 標準化活動貢献者表彰および標準化活動組織表彰 受賞者および受賞組織
令和4年度 標準化活動貢献者表彰および標準化活動奨励者表彰 受賞者
令和3年度 標準化活動貢献者表彰および標準化活動奨励者表彰 受賞者
令和2年度 標準化活動貢献者表彰および標準化活動奨励者表彰 受賞者
令和元年度 標準化活動貢献者表彰および標準化活動奨励者表彰 受賞者
平成30年度 標準化活動貢献者表彰および標準化活動奨励者表彰 受賞者
平成29年度 標準化活動貢献者表彰および標準化活動奨励者表彰 受賞者
平成28年度 標準化活動貢献者表彰および標準化活動奨励者表彰 受賞者
平成27年度 標準化活動貢献者表彰および標準化活動奨励者表彰 受賞者
平成26年度 標準化活動貢献者表彰および標準化活動奨励者表彰 受賞者
平成25年度 標準化活動貢献者表彰 受賞者
平成24年度 標準化活動貢献者表彰および標準化活動奨励者表彰 受賞者
平成23年度 標準化活動貢献者表彰および標準化活動奨励者表彰 受賞者
平成22年度 標準化活動貢献者表彰 受賞者
平成21年度 標準化活動貢献者表彰 受賞者
平成20年度 標準化活動貢献者表彰 受賞者
平成19年度 標準化活動貢献者表彰 受賞者